
国際宇宙ステーション(ISS)の映像を見ると、宇宙飛行士も道具もふわふわと浮いています。「宇宙には重力がないから」と思いがちですが、ISSが飛ぶ高さにも地球の重力は届いています。
浮いて見える鍵は、宇宙船・人・物が一緒に地球へ向かって自由落下していることです。横向きの速さと自由落下が作る軌道を、6段階で見てみましょう。
体が浮くまでの6段階
カードを押すと、その説明へ移動します。
※この記事では、地球の周りを回るISS船内の状態を説明します。宇宙のすべての場所が同じ環境という意味ではありません。

宇宙にも重力はある
ISSは地上から約400kmの高さを飛んでいますが、そこでも地球の重力は地上の約9割あります。体が浮くのは、遠く離れて重力が消えたからではありません。

ISSは高速で横へ進む
ISSは秒速約7.7km、時速では約2万8,000kmで地球の周りを進みます。地球を約90分で1周するほどの横向きの速さが、軌道を作る重要な要素です。

落ちながら地球を回る
ISSは重力に引かれて地球へ落ち続けています。しかし横向きに非常に速く進むため、丸い地球の表面も同じように遠ざかり、地面へぶつからず周回します。

中の物も一緒に落ちる
自由落下しているのはISSだけではありません。船内の宇宙飛行士や道具も、ほぼ同じ動きで地球へ落ち続けるため、ISSとの位置関係が大きく変わりません。

床に支えられず浮く
地上では、重力で落ちようとする体を床が押し返すため「重さ」を感じます。ISSでは床も体と一緒に落ちているので、支える力をほとんど感じず浮いて見えます。

本当は「微小重力」
実際のISSには、わずかな空気抵抗や機器の振動などによる小さな力が残ります。そのため正確には「微小重力環境」です。浮いても質量や慣性は変わりません。
まとめ
ISSが飛ぶ高度約400kmにも、地球の重力は地上の約9割届いています。
ISSは秒速約7.7kmで横へ進み、地球へ落ちながら丸い地面を外し続けます。
ISS・宇宙飛行士・道具が一緒に自由落下するため、床に支えられる重さを感じません。
小さな力は残るため、ISS船内は正確には「無重力」ではなく「微小重力環境」です。
参考資料
※高度や速度は代表的な値です。ISSの軌道高度などは運用状況によって変化します。
