運動した直後は平気だったのに、翌日になって階段や立ち上がりがつらい——。このように時間をおいて現れる痛みは、遅発性筋肉痛(DOMS)と呼ばれます。
筋肉痛の詳しい仕組みには、まだ完全に分かっていない部分もあります。この記事では、現在考えられている体内の変化と、乳酸との関係、回復の目安をイラストでやさしく解説します。

筋肉痛が起こって回復するまで
各カードを押すと、その説明へ移動します。
※痛みの現れ方や回復までの期間には個人差があります。
慣れない運動がきっかけ
久しぶりの運動や、いつもより強い運動をすると筋肉痛が起こりやすくなります。特に、下り坂やスクワットで体を下ろす時のような、筋肉が力を出しながら伸ばされる動きがきっかけになりやすいとされています。

筋肉の周りに小さな変化
慣れない負荷を受けると、筋線維やその周囲の組織にごく小さな変化が起こります。すると体は、その部分を整えるための回復反応を始めます。

痛みはあとからやってくる
回復に関係する反応が進むと、痛みを感じる神経が敏感になると考えられています。そのため、運動直後ではなく、数時間から翌日以降に痛みやこわばりを感じることがあります。

乳酸だけが原因ではない
乳酸は運動中に増えるため、以前は筋肉痛の原因と考えられていました。しかし、乳酸の変化だけでは翌日以降に現れる筋肉痛を説明できません。遅発性筋肉痛には、筋肉周辺の変化や回復反応などが関係すると考えられています。

少しずつ回復する
一般的な筋肉痛は、数日かけて少しずつ軽くなっていきます。痛みが強い間は同じ部位へ強い負荷をかけず、日常動作も痛みが増えない範囲にとどめましょう。
こんな時は医療機関へ
筋肉痛と思っていても、次のような症状がある場合は運動を続けず、早めに医療機関へ相談してください。
- 痛みが非常に強い、または急に悪化する
- 目立つ腫れがある
- 力が入りにくい、動かしにくい
- 数日たっても改善せず、生活に支障がある

特に注意:濃い茶色やコーラ色の尿、尿量の減少、強い筋力低下がある場合は、通常の筋肉痛と思い込まず、速やかに医療機関へ相談してください。
※本記事は一般的な教育情報です。実際の症状については医療機関の判断を優先してください。
まとめ:筋肉痛は回復反応の中で起こる
遅発性筋肉痛は、慣れない運動のあとに筋肉周辺で起こる変化と、その後の回復反応が関係すると考えられています。
- 筋肉が力を出しながら伸ばされる動きでは、筋肉痛が起こりやすくなります。
- 痛みがあとから現れるのは、回復に関係する反応が時間をかけて進むためと考えられています。
- 翌日の筋肉痛を「乳酸がたまったから」とだけ説明することはできません。
- 一般的には数日で軽くなりますが、強い痛み・腫れ・筋力低下・濃い色の尿には注意が必要です。
筋肉痛がある時は、痛みを我慢して同じ部位へ強い負荷をかけないことが大切です。少しずつ軽くなるかを確認し、気になる症状があれば医療機関へ相談しましょう。
